甘い時 〜囚われた心〜
仕事
もう学校にいく必要もない。

アパートに閉じ籠もっている場合じゃない。

手元にあるのは、今まで、触ったこともなかった現金10万円。

カードでの支払いをしてきた雛子にとって、それは、初めての現金だった…。

「これから、これだけじゃ、暮らせないよ…ね…」

いくら世間知らずのお嬢様でも10万で暮らしていけるとは思ってはいなかった。

(仕事…仕事探さなきゃ…)



雛子が仕事について、落ち着いて考え始めたのは、アパートに来て、2日が過ぎた頃だった。

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