無垢な瞳
この人は信じられるかもしれない。

アキは直感した。

この人に預けるのがいちばんかもしれない。

「沢村先生におまかせします。先生、必ずですよ。約束してください」

沢村は黙ってうなずいた。



温かい日差しが突然遮られた。

灰色の雲が空を覆い始める。

冷たい北風が吹きつけ、アキは身震いがした。

「もしかしたら今夜あたり雪が降るかもしれないわね」



この空の色は、アキの心を写しているかのようだ。

アキは両の手を口元に持って行き、はあっと息を吹きかけて温めようとした。
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