無垢な瞳
懐かしいアキの字だ。


「ケンへ



ごめんね、いきなり来ちゃって。


私ね、お節介ってわかっているんだけど、

やっぱり黙っていられなくて。



ケン、自分の気持ちを

押し殺してだけじゃだめだよ。


私あなたのおじいさんと話をして、

おじいさんがケンと心を

通わせたがっているのがよくわかったの。


お母さんのことでおじいさんたちに

恩義を感じているのはよくわかるけれど、

あなたが黙っていることは、

結局はおじいさんたちに対して

不義理を働いていることだと思うの。


おじいさんたちに償いたいという気持ちを

持っているのなら、

あなたの心を伝えてあげて。


それをおじいさんたちも望んでいるわ。


ケンに会わないで帰ったのは、

私がここに来た目的は

すでに果たされたから。


それに、もしケンに会ったら、

泣いちゃうかもしれないからね。


大人になったらまた会おう。


ケンが東京に戻ってくるのを

必ず待っているからね。




アキ」

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