黄昏
「昨日、山村が―」

「え?
本当?」

「見た!
私も見たよ!
教室から――」

ザワザワの方へ耳を澄まそうとしたとき、
チャイムがなって、静かになってしまった。

「山村は今日は風邪で休みだ。
ほら、授業始めるぞ!」

耳に聞こえないざわめきが残る。

最後に聞こえたのは

"教室の窓の外に見た"

何を?
誰を?
別に外にいても不思議じゃないのに…
何がおかしいの?

考えても答がでるわけがない。

ふと、窓側をみると
眼鏡をかけた黒髪のクラスメイトと目があった。

けれど、彼女はそのまま眠ってしまった。

授業中だが…
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