スセリの花冠
第十一章

スセリの花冠

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愛世は翌日の夕方、再び目を覚ました。

数回の瞬きの後、昨日を思い出し肩を揺する。

ディアランったら。

愛の告白をし、愛世と寝台に横たわっていたディアランは様子を見に来たマーザに大目玉をくらい、寝台から引きずり下ろされた挙げ句、部屋から閉め出されたのだ。

「まああ、何をなさっているのですか、ディアラン様!アイセさんは悪鬼に立ち向かい、大変な目に遭われたのですよ!!肩から大出血しているのにも関わらず神殿から飛び降り、決死の大活躍だったのですから!ごらんなさいませ!顔は擦り傷、全身打ち身でとてもじゃありませんが殿方と寝台でそのような事をなさる場合ではございません!少しはわきまえてくださいませ!!」

ふふふ。

マーザさんの迫力にディアランがタジタジだったのが笑っちゃう。

愛世はマーザの心遣いが嬉しかった。


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その日の夜、ディアランは気まずかった。

夕食を運んでくるマーザが冷たいのだ。

ふたり寝台で横たわり、手をつないでいたところを引き剥がされ、閉め出されてしまってからというもの、事あるごとにマーザはディアランに刺すような眼差しを送る。

…参ったな。

…マーザの怒りはいつ収まるのか…。

一方マーザは、以前からディアランに意見したかった。あの妖艶な女性を屋敷に連れ込んだ日からだ。
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