シローせんぱいのこと。
「じゃあ、これからうちでごはん食べませんか!」
「えっ」
商店街を出て、歩く住宅街。
ブルさんのリードを持ち歩きながら言ったわたしの隣で、シローせんぱいは驚きの声をあげる。
「家って……えなの家?」
「はい、クリスマスなのでお母さんがご馳走作ってるんです。あ、ダメですか?」
「いや、ダメじゃないけど……いきなりハードル高いなぁ」
「へ?」
ハードル?
意味がわからず首をかしげると、その目は困ったように笑ってわたしのあいている左手をつなぐ。
「……ま、いっか。行こうか」
「はいっ」
大きな手は、そっとわたしの手を包む。その冷たい手を、これからずっと離したくないと願った。
ここからふたり、手をつないで歩いていきたい。
だいすきだから、ずっとずっとあなたのことだけを見つめてる。
今日も、この心にスキの気持ちがあふれてる。
シローせんぱいの、こと
end.


