ストーカー【感染】

「でもなー……」

 今はまだ大丈夫なものの、雨が降ったらグショグショに濡れてしまう。風が吹いたら飛ばされてしまう。早く取ってこなきゃ。
 まるで洗濯物を気にしているかのようだ。

 仕方ない。せっかくの日曜日、朝寝坊したかったな。時計は八時を指していて、休日にしては早起きだ。

 腕の位置に注意してベッドから出るも、リリはいない。そうだ。おばあちゃんのところで寝てるんだった。腕を気にした私はバカみたいだ。

 ベッドから数歩歩き、ドアをあける。相変わらず小さな音がたつ。

 現れるリビング。しかし、いつも早起きのおばあちゃんの姿がなかった。珍しい。まだリリと寝ているんだろうか。まあ、おばあちゃんだってたまには朝寝坊したいよね。寝かせておいてあげよう。

 私は廊下を抜け、玄関へと向かう。おなじみのスニーカーを履き、外へ飛び出した。
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