理想の結婚
涼介くんとの接点は委員会が同じだったこと。


色素の薄い髪の毛に
ちょっと大人びて見えるくらいで
他になんの取り柄もない私に告白してきたのは涼介くんだったね。


あの時は本当にびっくりしたよ…



だって、学校の…
いや、この地域で知らない人はいないくらいの王子様からの告白なんだから……



でもね、話しかけるのはいつも私。
デートに誘うのも
電話するのも
メールするのも私…



私といてもいつもムスッとしてるのに
というよりも、女の子にはとても無愛想

放課後になるとクラスまで迎えに来てくれて

たまに優しい言葉をかけてくれる涼介くんが……


いつの間にか私の中でいっぱいになった





涼介くんが大学に進学して1人暮らしをはじめてからも会いに行くのは私
電話かけるのも私
メールするのもやっぱ私だったね…



私が短大に進んだ時には
涼介くんは大学3年生だったから
就活が大変そうなのもあり
会いに行くのを我慢した。
電話もメールも気が散ったらと思うと出来なかった。


私からの連絡を断てば
何日も会えないどころかメールも無く、声も聞けないから
辛かったけど。


涼介くんの一生を決める大事な時期に私が邪魔したくなかったから……



そんな時、涼介くんは私の学校まで会いに来てくれたっけ。


学校の前で女の子たちにわんさか囲まれてるのに気にもとめず………


「璃〜子!!
なんか悪いもんにでもあたったか??
璃子がいつも通りじゃないと
逆に調子狂うわ…」



と言って、フッと笑った顔に
私以外の女の子たちも失神寸前



あの時は
本当予想外の出来事でびっくりしたけど凄く嬉しかったな……


その後、涼介くんはすぐに一流企業の内定が決まった。
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