コドモ以上、オトナ未満。


「すげーな。マジレベル高い。俺の知ってる読モのオンナの子たちよりよっぽど……」


そう言った大森賢人が品定めするみたいにあたしのつま先から頭のてっぺんまで眺めてきて、さすがに不快になったあたしは隣にいるカナコの背中に触れながら言った。


「……いこ。カナコ」

「う、うん……」


あたしたちは男二人に背を向けて、再び駅の方へ向かう。

……明日にでも真咲に聞いてみよ。あの失礼なヤツなんなのって。



「――ココちゃん!」



しばらく歩いたところで、まさかの大森賢人の声があたしを呼び止めた。

ちょっと、あんまり大声で人の名前呼ばないでよ……

立ち止まって首だけで後ろを向くと、なぜかこちらまで走ってきた彼があたしの目の前で止まる。


「……なんですか」

「あのさ、ココちゃんに頼みたいことがあるんだよね」


……初対面で頼みごとって、ありえなくない?

その頼みごとが何かわからなくても、完全に“やだな”って顔をしてあたしは彼を見つめていたのに。



「雑誌の企画で、彼女役やってくれる人探してたんだ。ココちゃんなら、俺が着る予定の服のテイストとも合いそうだし、つーか何より顔が好みだから、やってほしいんだけど、どう?」



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