コドモ以上、オトナ未満。
「こく、はく……?」
しかも、今“ココちゃんへの”とか言ってなかった?
イマイチ話を飲みこめないあたしと裏腹に、大森はちょっとエラそうにまくし立てる。
「なのに、意味わかんねー暗い話始まって、しかもそのまま終了ってどーいうことだよ」
「あのなー……お前がココにキスしようとするから、焦って忘れたんだっつーの」
……どうしてだろ。
一気に、真咲のいる方の体半分が熱くなってきた。
今の会話、理解できない部分もあるけど、どうしてもそういう意味に聞こえてきてきちゃう……
『来てくれたら、そのときに真咲くんの好きな人教える』
今ここにいないはずのカナコの声が、ふと脳裏に蘇った。
もしかして、今日この場所に真咲がいた意味って……
「俺ちょっと離れたとこいるから、終わったら教えろ。合否判定もな」
「……お前ってイイ奴だな。意外と」
「“意外と”は余計だ。言っとくけど、たとえ“否”の方でも、ココちゃんを諦めるってことにはなんねーからな」
「わかった」
真咲との会話を終えると、不機嫌そうにこの場を離れて行く大森。
その背中が見えなくなってしまうと、さっきのがクライマックスだったらしい花火の音も聞こえず、急に辺りが静かになった。
近くに数組いたはずのカップルも、いつのまにか姿を消している。
「――ココ」
そんな中に、優しく響いた真咲の声。
なんでだろ……真咲の顔が見れない。
こんな風に名前を呼ばれるくらい、慣れてるはずなのに……