続 理想の結婚
付き合いはじめてからは毎日ドキドキして正気を保つので精一杯で。


何もかも璃子任せになっちゃって
会いに来るのも璃子
電話くれるのも
メールくれるのも
璃子からだった


本当はいつでも会いに行きたいし
いつでも声が聞きたいし
自分からメールだって送りたいのに
ヘタレな俺はいつも出来なくて


結局、璃子任せになってた。


でも、会いたいし、
他の奴には取られたくなんかないから
帰りだけはいつも猛ダッシュで迎えに行ってた。



璃子のクラスに迎えに行くと
大抵、璃子は親友の美希ちゃんと楽しそうに話してんだけど
たまに三神っていうちょっとスカした野郎も璃子に取り憑いてる時があって


そいつの目は俺が璃子を見る目と同じ目で璃子を見るから


たまらなく腹が立つ。


三神の野郎は俺の事をいつも挑むような目で見てくるから
俺はそれの3倍増しでガンとばしてやる



璃子に近づくんじねぇ
璃子に触るんじゃねぇ
璃子は三神と楽しそうにするんじゃねぇ



嫉妬で気が狂いそうになる。



そんな様子に全く気が付かない璃子は
笑顔で俺に近付いてくるから
俺は勝ち誇った顔して三神を見てやるんだ。



ダサい所を見せたくない俺は
それくらいしか出来なかった。



でも先に卒業した俺は
三神の存在はずっと脅威だった。





璃子が短大に入った頃、俺は就職活動の真っ最中で……


そんな時、パッタリ璃子からの連絡が途絶えて俺は焦りに焦った。


悶々とした日々を送りながらも
自分から行動が出来ない俺はいつもイライラしてて。



サークルが終わった後、和也と斗真と飯を食った帰りに璃子を見かけたんだ。


美希ちゃんと2人でいて
チャラそうな奴らにナンパされてやがった。


なかなか引き下がらないナンパ野郎に


困ったような態度の璃子と
追い払いに全精力を出しつくす美希ちゃん。


美希ちゃんの頑張りでナンパ野郎をなんとか振り切って2人は走って逃げた。



「涼介……あれ璃子ちゃんじゃねぇの?良かったのか??」



高校が同じだった、和也は璃子を知ってる。



「……隣にいた子は誰??」


美希ちゃんに心持ってかれてる斗真。


「ああ、璃子ちゃんの親友の美希ちゃんだよ‼︎
あの子もめちゃくちゃ美人だろ??
2人は高校の時かなり有名だったぜ‼︎
見かけるだけで目の保養んなるんだよな〜なっ!涼介!!」



「璃子を見るんじゃねぇ」



「うわぁ〜、怖い怖い!!ヘタレなくせして‼︎‼︎
サークルだって、1度くらい連れてきてくれてもいいものを、囲いやがって‼︎」



そう、斗真はこの時
美希ちゃんに一目惚れしたんだ。



まぁ、確かに美希ちゃんは良い子だ。
美人で、勝気で、自分の事を良くわかってて、何よりも友達思い。



2年後2人は偶然同じ職場で会って
斗真の熱烈なアプローチで交際までこぎつけたんだ。
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