薔薇の香りと共に

─ Tragedy ─


「これから話すことは、今後の君の人生にとって、とても重要な事だ。

…と、話を進めて行きたいんだけど…」


彼は言葉を止めると、入口の扉を見つめて、立ち上がった。


ガチャリとドアを開けて…


「何をしてるんだい、アヤト」


「話終わった?」


「本題はこれから」


「そ。話終わったら来いってさ」


「…わかった。ありがとう」


途端、パタンと扉は閉められた。


「ごめんね。話を進めようか」


「あ、はい…」


アヤト…?誰だったんだろう……?


声からして若い男の人のように感じたけど…


それよりも……


どうしてノックもされていないのに…、彼がいることが分かったんだろう……?
< 23 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop