冷徹執事様はCEO!?
顔をあげるとすぐ側にユウキが立っていた。

「燁子様はご気分がすぐれないようですので、少しの間失礼させていただいてもよろしいでしょうか」

柔らかい物腰だが有無を言わせないオーラ全開だ。

「ありがとう、ユウキ」

差し出された手を取って私はフラフラと立ち上がる。

「大丈夫ですか、燁子さん」不破が心配そうな面持ちで言う。

「申し訳ありません。着替えてすぐ戻りますわ」

私は力なく微笑み、男性陣に一礼すると、その場を離れる。

「どうしたの燁子。真っ青じゃない」ユウキが耳打ちする。

「慣れない着物を着たせいかな。締め付けで気分が悪くなっちゃった」

ユウキに依り添いながら、ダイニングを後にする。

自分の部屋に戻ると、さっさと着物を脱ぎ、締め付けのないワンピースに着替える。

「ちょっと横になりなよね」

「うん、暫く横になる。ありがとう、ユウキ」

ユウキは私の髪をサラリと撫でると、部屋から出ていった。

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