イケメン先生は危険男子でした!?
カンナがそう言い、ため息まじりに笑った。


「……あたしらしいって、なんだろ……」


「え?」


「ねぇカンナ。あたしってどんな子だっけ?」


そう聞くとカンナは少し困ったように眉間にシワを寄せた。


「そうね。あたしの知っているカンナはクラスメイトたちより大人びて手、なんだか【わかってる】って雰囲気だったかな。


でも、話してみると気さくで……」


「それね、たぶん【わかってたつもり】だったんだよね」


あたしはカンナの言葉を遮ってそう言った。


ある程度生きて来て恋愛経験もあって。


だから【わかっている】と自分で思い込んでいたんだ。


クラスメイトより大人びているワケじゃない。


本当は無我夢中になるより冷静に構えていたほうがカッコイイからとか、その程度だったんだ。
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