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玄関を出て、ゆっくりとした深呼吸をいつもより時間をかけて一回。


「お。とうとう殺る気になったか」


「……違うよ」


いつの間にか隣にいたリックに少し驚いたけれど、感情は割と静かだった。


は?というような間の開き方だったから、これを言ったらリックに怒られるんだろうなと思いながらも、言った。


「しばらくはまだ、ミオと一緒にいられるんだなぁって思っただけ」


すると。


「ばーか」


やっぱり怒られた。


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