花ビラ、ヒラリ
私 篠崎歩由(16歳)。高1で部活に熱中。大好きなソフトボールをグローブと一心同体になって日々努力する。
努力すると言えば何事も努力によって報われることを母はいつだって私にうるさいくらいに言った。なんだかんだ良いながら勉強だって部活だって努力する。報われるまで努力する。報われたら楽しくなる。そういうプラスのサイクルが私は大好きだった。

プラスのサイクルはいつも続くと思ってる。そして何事も努力で何とでもなると思ってる。このプラス思考は時に吉となり時に凶となる。人生って色々だ。だから楽しい。どんなに苦境でも楽しまなきゃ損だぐらいな精神強さもきちんと備わっているはずに違いない。

精神強さ。強がりかもしれないけれど、この心を作ったのはまぎれもない母親なのだ。記憶がある頃から既に短気な性格の母親は私にいつも手や足と共に酷く叱った。その頃から常に自分は押し殺して生きてきた。この自分は死ぬまで出てこないほど奥底にしまった。

あれから10年ほどたった今、本当に今更。自分が暴れ出して困ってる。10年の間にいくつもの自分を創りに創り重ねてしまいすぎて本当の自分がどこにあるのか、どうあるべきなのか見失い始めた。

そんな時雨はいつだって私を救ってくれた。泣きたくて泣きたくてたまらない時雨が降ってくれたら涙だって隠すことが出来たし、空も悲しいのね?って共感出来たから。そうやって毎日毎日やり過ごす日々。学校が辛くたって家が辛くたってこの時間があれば私は何とかやっていける、そう言い聞かせ続けた。
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