届かなくても、
感情



昔から自分の中に渦巻いている






「感情」というものが出てこなかった。







ピアノが他の子より下手だったりすると







悔しいと思うだけで








テストの点数を見られて恥ずかしいとも









友達に裏切られて怒ることも







テストで100点獲って嬉しいとも








怒られて泣くことも










少なくとも同級生よりはかなり少なかった。








喜怒哀楽がはっきりしていない。









じゃあ、彼は?











無関心もやっぱり










感情がないことと同じなのだろうか。










私が知らないあなたの好きな人に思いを寄せて








ただ愛しさに狂っていくようなことはないのだろうか。









不思議だ。








どうも彼のことを考えると







ロマンチストな乙女になってしまう。










片想い、というのはどうも厄介で面倒くさくて






つまらなくて









内申点にも追加されない。









自己満足なのに、相手を考えてしまう。








そんな理不尽な想い








いっそ殺してやれたらいいのに…
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