届かなくても、

新たなる出会い

「広い……」




大学のキャンパスは何回も見ているのに




とても広く思えた。




ひどく開放的な空間。




そんな広大な敷地にがやがやと入る学生たち。




顔。顔。顔。





たくさんの、顔。




吐き気を覚える。





見る限り、彼の顔は見当たらない。




でも、別に何とも思わなかった。





私は、一人に慣れている。
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