俺様社長に捕らわれて




「彼氏、出来たんでしょう?」

「っ……何でわかったの?」

「母親の感よ」

「美優、それは本当なのか?」

「あら、嫌だ。あなた気付いていなかったの?」

「…薄々は感じてはいたが…」

「信じたくなかったのね」

「あぁ…」








まさか自分に彼氏ができたことを両親が気付いていただなんて、思いもしなかった美優。
そんなに自分はわかりやすいのかと悩んでいた。









「まぁ、悩む必要なんてないわよ。ねぇ、あなた」

「あぁ。さっきも言っただろう?最近の美優は、人間らしくて良いと。ただ、心配なんだ。美優が騙されているんじゃないかって…」

「騙される?」

「世間は綺麗な人間ばかりじゃない。藤堂の名前目当てで近づこうとする輩もいるからな」

「………」

「あなた、美優が選んだ人が信じられないの?」

「いや、そういうわけでは…」

「さ、もうこの話は終わり。美優に政略結婚をさせようとしたら、私が許しませんからね!」

「あ、あぁ…」

「美優。彼を今度家に連れてきなさいね」

「はい」









美優の言葉に美香はとても嬉しそうにしていた。


しかし、そんな美香とは裏腹に、徹也は何だか浮かない表情をしていた。



< 126 / 194 >

この作品をシェア

pagetop