俺様社長に捕らわれて
「何だよ」
「いや…洋輔でも両思いだなんて言葉、使うんだな…」
「…悪いか?」
「悪くはないけど、意外だと思った」
「………」
「怒んなって」
怒りを隠そうとしない洋輔に、圭人は苦笑いするしかなかった。
「圭人、着いたら起こせ。少し仮眠する」
「了解」
そう言うと、洋輔は目を閉じた。
ここらから車で行けば10分もかからない場所であるが、余程疲れたのだろう。
圭人は何も言わずに、前を向いた。