【完】立花くんは愛し方を間違えてる。



せっかくの修学旅行だったのに……


立花くんのせいでそれどころじゃなかったよ〜〜!




と、そんなことを考えながら教室に入ると。



わたしの席の隣に、すでに誰かが座っているのが見えた。




こちらと反対側を向いているその黒髪に、朝日が反射してキラキラと光っている。




……梶くん?

あれ? でも、なんか背格好が違うような……



なんて不思議に思いながら近くと、こちらを振り返ったその人は───




たっ……立花くん!?


なんで、そこの席に座ってるの!?


梶くんの席のはず、だよね?




「お、おひゃよう……! 立花くんっ」




あまりにびっくりして、目が合った瞬間思わずあいさつをしたけど、盛大に噛んでしまった。


そんな、わたしの戸惑う様子を見て頬杖をつきながらニヤニヤと笑う立花くん。



「"おひゃよう"、成田」



バ、バカにしてる……!


わざわざ、わたしが噛んだのそのまま言うことないじゃん……。




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