続 鉄の女には深い愛情を


「………わかったよ。でも最後くらい何か一つ想い出がほしーな」


は?
んなもん、まだ始まってもないんだからいるかい!!


その瞬間


「隙あり!!」


と言って、私を健夫からグイッと引き離して健夫の目の前でおもいっきり
キスされた。


ブチュゥー ってやつ。


「ギャーーーーーーーーー」



「なんだ、澄ました顔して色気ねぇな!
じゃぁな!」
と言って、爽快にレストランから出て行った



我にかえった健夫が



「てーーーーーーん!!!!
んっくそ!!あいつ!!ぶっとばしてやる!!」


と言って追いかけようとしたのをヒサシ君が止めた。



健夫の肩をグイッと掴んで首を横に振った



「エイスケも天ちゃんの事はマジだったんだ。
エイスケには俺から言っておく。
お前には天ちゃんがついてるだろう?
じゃっ!千里!!
今日も練習見にきてくれな!!」



と言ってヒサシ君も爽快にレストランから出て行った。



「「「はぁ…」」」



思わず3人でため息が出た
なんだったんだ??もう!


嵐のように去ってたな高木栄進。
全く興味はないけど
もしあの日健夫の手を振り切ってたら
私はあの人を好きになってたかもしれない。



なんとなく、健夫と似た人。



チラッと健夫を盗み見ると
健夫も私を見てた。


はぁ〜
呆れるくらい整ったお顔だこと。


なんとなく
今同じ事を考えてる気がする。


でもやっぱ高木栄進じゃインパクトにかけるかも。


なーんて考えていると
健夫がニャッと笑った。


「天、この借りは今夜返してもらうからなっ」


と耳元で囁いた。


ゲッ!!!


ぶるぶるぶるっ


私が身震いしてるのを見て
頭をポンポンしながら
片手で抱き寄せた



「…あの日、お前を連れて帰って良かった」



ぷっ(笑)
かわいいやつ


みんな見てるけど今はこの桁違いのイケメン男を安心させてやりたい


「私の心は健夫と共にあるって言ってるでしょ?」
と言って、健夫の胸に顔を埋めて背中に手を回した。


周りのヤジは聞こえないふりをしよう(笑)


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