続 鉄の女には深い愛情を
ひとしきり感動の再会を堪能した
私と千里。



「…天、お前それ反則。
千里、千里、お前はいつも千里の事ばっかりだな…。
いくら千里だからってそんなかわいい所見せるな」



と言って輸血中で横たわる
私にチュッとキスをした。



「ギャーーーー!
やめてよ!健夫!!
2人が見てるじゃないの!!」




本当に何考えてんの
この桁違いのイケメン男が!!



「…いいなこれ。
天は輸血で点滴中だから
身動き取れないもんな!
やりたい放題だ(笑)」



とニカッと笑った健夫。



ちょっとぉ〜



そんな姿までカッコいいあんたの方が
反則でしょ



「アホかおまえは!」



と言って軽く睨んでやったわよ



「…くぅっ〜!!
可愛すぎだろっ!!」



と言って健夫がまた私に顔を近付けてきたけど、それは千里によって止められた



パコッ!!



「盛るな!!
このイケメンヘタレ男!!
私の天に年がら年中
ベタベタすんじゃないわよ!」



とニャッと笑った千里。



「いてっ!
ちょっと、そこの千里の彼氏
この邪魔者連れて
どっか行ってくんない?」



と、迷惑そうにヒサシくんに訴える健夫




ぶぅ



なんてこと言うのよ



ヒサシくんは私たちのやりとりを
穏やかな表情で見つめながら言った




「いいじゃない?
千里は一週間松葉杖で生活しなきゃいけなくて、
本当なら足痛くてたまらないんだ。
それでも天ちゃんに会いたくて
ヒーヒー言いながらここまで来たんだから。
健夫だったけ?
少しは盛るの我慢しろよ(笑)
俺だって、早く連れて帰りたいけどね」



と、健夫をたしなめるようにヒサシ君が言うもんだから



「ちぇっ!!」



と剥れて私のベッドに腰をかけた
健夫。


拗ねても色気ムンムンのイケメンって
あんた本当凄いよね……



私と千里はヒサシくんの言葉で
またウルウルし始めたら


ヒサシくんがオロオロし始めて



「あーあーあー!
千里、天ちゃん
な 泣かないで…。
俺女の子に泣かれるのには
どうも弱くて…
はいはーい 2人とも笑ってぇ〜
笑った方がカワイイよ〜〜」



なんて言うから私たちはまた
クスクス笑った。




ヒサシくんはホッとしたように目尻を下げて笑い



健夫も私が大好きな表情で



フワァッと笑って私の頭を撫でた。








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