フラワーガーデン

第17節 甘い香り

「あの……。片岡君が、ずっと休んでいるから……。

その……。ノートを持ってきたの」

「ふーん。別に頼んだ覚えないんだけど」

オレはノートが何だよと言う態度をとった。

それでも、小谷は一歩オレに近づくと小さな緑色の包装された箱を差し出した。

赤いリボンがついている。

「片岡君、これ……」

「何だよ。こんなのもらうような仲じゃないし、迷惑なんだけど」

ぶっきらぼうに言葉を返しながら、小さな包みを小谷につき返す。