フラワーガーデン
僕が指示した胸部を指差して夫人は叫んだ。

人はみな心臓が左にあるから、左の胸の上を押そうとする。

でもそれではダメなんだと説明する時間が無い。

「信じて押して!!僕がカウントを取るから。

1、2、3、4、・・・・・・腕、曲げないで!!」

近くの人が、AEDを持ってきてくれたけど、事故の衝撃からか作動しない。

心肺蘇生法を施してから、もう5分は経とうとしていた。

僕は段々不安に押し潰されそうになって来た。

生きて!息を吹き返して!!おじさん、戻って来て!!

僕は泣きじゃくりながら必死でカウントを取った。

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