【完】午前0時日付が変わっても
#1_千景くんという男の子



出会いと別れの季節、春。


まだ満開でない桜を見ると何年経っても毎年同じことを思いだす。


居場所も連絡先もわからないきみのことをずっと想ってる。


いつかまた会えるはずって、思っているから。


たぶん、私まだまだ好きでいるんだろうな。



保育園に通っていた10年前のことを思い出しては、なぜかふっと笑っちゃう。


きみがいる、懐かしい思い出。


―――……



「愛生(あき)ちゃん、今日の髪型かわいいね! ママがやってくれたの?」


「う、うん…!」



保育園に通っていた時の私、百瀬愛生は、とにかく恥ずかしがり屋な子どもだった。


< 1 / 416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop