昨日の友は今日の恋人!?~甘い視線で迫られて~
「その噂の受付嬢は俺が誘ったんじゃなくて、シツコク誘われたの。その上、俺とはセカンドの関係が良いんだってよ。……俺は性欲処理班かってーの。俺のが萎えるわ」

へぇ、体目当てって男でもあるんだ、なんて妙に感心しつつも。

その口調に苦々しさに違和感を覚え、私は首を傾げた。


「あれ? 主旨変えしたの? そういう野球の守備みたいのが好きって言わなかったっけ? セカンドとかサードとか。あと、ショートだっけ」

けけけ、と意地悪く笑った私の二の腕を、奏多の肘がガツンと揺らした。

その強い力の所為で、手に持っていたお猪口の中の液体までもがナミナミと揺れてしまい、私は慌ててそれに口を付ける。


「紫乃さんよー、それいつの話しだよ。俺もね年取んの。いつまでもそんなつまみ食いばっかしてたら、肝心のステーキ逃しちゃうだろ」

女をメインディッシュに例える、その貴方の感覚もどうかと思うけど。

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