LOVE School LifeⅡ【完結】

―――――――――――……




「ありがと」



家の前まで来ると、私は秋人にお礼を言う。
秋人は首を振って笑った。



「俺こそ、ありがとう」

「ううん」

「…愛ちゃん、明日迎えに来てもいい?」

「うん」

「よかった。断られると思った」



嬉しそうにはにかむ秋人に、ふふっと笑みが零れる。



「それじゃ。明日、ね」

「うん、バイバイ」


手を振って別れを告げると、私は玄関の扉を開けた。
それから、自室へと向かう。



……今日、少しだけ秋人の事を知った気がする。


どうして、あんなに泣きそうな顔をして笑ってるのかとか。
朝早く出て来てる理由とか。
麗さんを好きな事とか。

弱くて脆くて、今にも崩れそうなとことか。



そんな秋人の事を考えると、また涙腺が緩む。


この涙の理由なんて、わからない。
わからないよ。

< 95 / 319 >

この作品をシェア

pagetop