ダイヤモンドの未来
21時消灯。
早い…寝れるかな…。

病院の中は、昼間とはちがう静けさが広がる。

ただ、完全に静かになることはなく、足音や人が動く気配を感じる。

病室内も、それぞれカーテンを締めている。

誰かの寝息が聞こえる。

田中さんかなぁ…。

ほかの2人も、動く気配はない。

そんなとき、スマホに着信ランプが光る。

メールだ。

『澤田隼人

眠れそうか?
おやすみ。』

短いメール。

けれど、入院からどこかざわざわしていた心の奥が、ふっと落ち着いた気がした。

『おつかれさまです。
おやすみなさい。』

迷い始めたらだめだと思い、短いメールを返信。

先生とつながるスマホを、大切に枕元へ置き、枕の下のハンカチに触れると、そっと目を閉じた。

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