ダイヤモンドの未来
金曜日、仕事が終わったという真美さんと一緒にロッカーへ向かう。

すると、エレベーター横の階段から、私服姿の澤田先生と海藤先生が降りてきた。


「おつかれさまです。」

慌てて、頭を下げる。

「あれ、蒼介、今日当直じゃないの?」

「急に来週と変わってほしいって頼まれた。」

「ふーん、私、今日香江ちゃんと鍋してお泊まり女子会するからね。」

「あっ、真美さん、私とは今日じゃなくても。」

せっかく海藤先生いるんだしと、慌てて申し出る。

「鍋かぁ、いいなぁ。あっっ!鍋って去年食べたうまかったやつ?」

???先生と一緒に鍋をした覚えはないけど…と思っていると。

「そうそう、去年、残ってたの食べて絶賛してたやつだよ。

香江ちゃんのおいしいんだよ。」

「俺も食べたいなぁ。

今から、隼人と食事に行こうと思ってたけど、2人も鍋参加でもいい?」

「私はいいけど…」

と真美さんが私を見る。

3人の視線が集まる。

ノーを言えるはずはなく、

「はい。」

と返事をする。


真美さんに、

「私、鍋作ったら帰りますね。」

と小声で伝える。

真美さんには、

「それはないから。」

とばっさり切られ、

澤田先生は聞こえていたのか苦笑していた。



< 41 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop