Closed~閉じてる彼ら~
鬱屈した気分のまま、帰宅。



「じゃ、私達はここで」

「…はい」



高杉先輩達は、背を向けた。

お迎えは無い。





知れず、溜息。





机の上に、紙を発見。

目を通す。





『縁。

私は父親として、お前に不自由の無い生活をおくらせてあげたつもりだよ。

もし不満が有るのなら、言ってごらんなさい。

お前の父より』





紙を破り、水道に流す。





『父親として』





『あげた』





『もし不満が有るなら』





『言ってごらんなさい』





その言葉は特に、縁を不快にさせた。

それは、憎悪と表現した方がふさわしかったかもしれない。



純の家とは違った涙を流していた。


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