天才に恋をした
ハジメテの笑顔

14-1

キャプテン陸玖が、腰に手を当てる。



「それで…二度寝かよ」

「すまん」



謝るしかない。



さっきまで監督に、

「やる気がないなら帰れ!」

って、さんざん怒鳴られたところだ。




「今日が試合じゃなくて良かったなぁ」

角田がフォローする。



陸玖が角田をにらむ。

角田は、クラブボックスへ逃げて行った。



「信頼してるんだから、裏切るな」

「分かった」

コイツの言葉は胸にこたえる。


「監督の所に謝りに行こう」

陸玖が言った。

俺は首を振った。


「一人で行く」

「俺にも責任があるから」

キャプテンて、そんなもんかも知れない。



「悪ぃ」



頭を下げるしかない。



「違うよ。宮崎さんのこともあるんだよ」


え…?


「翻訳、俺が頼んだんだ」

「な…」

「監督だ!行こ!」
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