Sugar&Milk
◇◇◇◇◇
今日は久しぶりに定時で会社を出ることができそうだ。けれどこんな日に限って瑛太くんはこの後の時間から閉店までバイトだという。
「橘、ランチ行こー。彼氏のカフェに」
午後からの外出の準備をしていた私に山本はいきなり話しかけてくる。
「やだ」
「即答すんなよ」
「ランチは武藤くんと行けばいいでしょ」
「あいつと行くと仕事を焦るから嫌だ」
子供みたいな理由に呆れた。山本は大口顧客を多く担当する武藤くんを無駄にライバル視している。
私と山本と武藤くんは同期だ。この二人はどちらもイケメンで仕事ができて、それ故に何かと比べられることが多かった。山本は不真面目そうな真面目さんで、武藤くんは超がつくほど真面目なのだ。
「私と行けば仕事焦らないの? それ下に見られてるようで嫌なんだけどー」
わざとらしく不機嫌な声を出すのに山本は「橘とはチームだろ。武藤は別」と失言だとも気づいていないようで謝罪がない。
「私も山本と行くのは嫌だ。しかもカフェって……」
「橘の年下彼氏をまた見たいんだけど」
「だって山本絶対からかうもん」
「当たり前じゃん。面白いんだから」
「武藤くーん! 山本がランチ行こうって」
数メートル離れたデスクの武藤くんに声をかけた。
「山本くんは食べるの早いから嫌だ。僕ゆっくり食べたいから」
パソコンから目を離さずのんびり答える武藤くんに山本は憤慨する。
「お前らマジでムカつくな! ほら立て!」
山本は私と武藤くんを無理矢理引っ張ってカフェに連れ出した。
私たち同期は性格はバラバラだけど比較的仲が良い方だとは思う。駅まで歩きながら何度も私の彼氏の話をするものだから、武藤くんまで興味を持ってしまった。
「彼氏どこ?」
今日は久しぶりに定時で会社を出ることができそうだ。けれどこんな日に限って瑛太くんはこの後の時間から閉店までバイトだという。
「橘、ランチ行こー。彼氏のカフェに」
午後からの外出の準備をしていた私に山本はいきなり話しかけてくる。
「やだ」
「即答すんなよ」
「ランチは武藤くんと行けばいいでしょ」
「あいつと行くと仕事を焦るから嫌だ」
子供みたいな理由に呆れた。山本は大口顧客を多く担当する武藤くんを無駄にライバル視している。
私と山本と武藤くんは同期だ。この二人はどちらもイケメンで仕事ができて、それ故に何かと比べられることが多かった。山本は不真面目そうな真面目さんで、武藤くんは超がつくほど真面目なのだ。
「私と行けば仕事焦らないの? それ下に見られてるようで嫌なんだけどー」
わざとらしく不機嫌な声を出すのに山本は「橘とはチームだろ。武藤は別」と失言だとも気づいていないようで謝罪がない。
「私も山本と行くのは嫌だ。しかもカフェって……」
「橘の年下彼氏をまた見たいんだけど」
「だって山本絶対からかうもん」
「当たり前じゃん。面白いんだから」
「武藤くーん! 山本がランチ行こうって」
数メートル離れたデスクの武藤くんに声をかけた。
「山本くんは食べるの早いから嫌だ。僕ゆっくり食べたいから」
パソコンから目を離さずのんびり答える武藤くんに山本は憤慨する。
「お前らマジでムカつくな! ほら立て!」
山本は私と武藤くんを無理矢理引っ張ってカフェに連れ出した。
私たち同期は性格はバラバラだけど比較的仲が良い方だとは思う。駅まで歩きながら何度も私の彼氏の話をするものだから、武藤くんまで興味を持ってしまった。
「彼氏どこ?」