Sugar&Milk
カフェ店員と恋、辛くなりました
◇◇◇◇◇



事務所に入ると店長がパソコンに向かって頭を抱えていた。

「おはようございます」

30代なのに疲れが顔に滲み出て老けて見える店長は「おはよ……」と不機嫌丸出しの声を出すから俺は心の中で溜め息をつく。こんな時の店長には関わらない方がいいと学んでいる。

「中山くんさ、次のシフト希望書いといて。明日締め切りだから」

「分かりました」

来月分のシフトの希望を書く紙に年明けの希望を書いていく。両親は不満そうだったけれど年末はこっちで過ごして年明けに帰るつもりだと伝えた。その理由は彼女と過ごしたいからだとはまだ言えていない。

「今お店忙しいから覚悟して」

店長の低い声に「はい」と返事をした。タイムカードを押すまでまだ時間はあったが、機嫌の悪い店長とこれ以上同じ空間にいたくなくて俺は事務所を出て店に向かった。





「中山くんクリスマス休まないの?」

忙しさが一段落して相沢が聞いてきた。

「休みたいとは思ってるけど、もしかしたら休めないよね。毎年この時期は店長機嫌悪いから嫌みとか面倒だし」

「彼女さんは? 怒らないの?」

「残念だけど向こうも仕事だって」

「ふーん……デザイナーだっけ?」

「イベントの企画デザイン? プロデュース? だって。そんな感じの仕事。会社はこの近くだよ」

「だから時々会うんだね」

「相沢と会ったことあった?」

「あ、ううん……時々見かけるから。お店にも来るでしょ。顔覚えちゃって」

相沢はなぜか慌てて否定する。

「そっか」

朱里さんはクリスマスに早く帰れるよう調整すると言ってくれた。少しでも会うことができたらいいなと俺はぼんやり考えていた。

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