あなただけを見つめてる。
オレンジサイダー


「あっつ~い……」



今日は週に2回ある美術部の活動日。


といっても、ゆる~い部だから、この時間は自分がなんでも好きなことを好きなようにやっていいんだ。


だから、希子ちゃんなんかは部活の時間はいつも自作のマンガを描いたりしてるし。


私はというと、部活に顔を出したのはいいけど、今日は梅雨の中休みで、急に真夏並みの暑さになったもんだから体がついていかなくて何もやる気が起こらなくてぐったり……。


少しでも外の風を感じたくて、美術室の窓の柵にもたれかかると。



「…………」



強烈な西日によってオレンジ色に包まれるグラウンドでは、赤いユニフォームを着たサッカー部が今日も練習に励んでいた。


私はその中から、無意識にある人の姿を探してしまう。



……いた。



視界にとらえた瞬間、胸がきゅんと高鳴る。


向日くんは、こんな暑さの中でも汗だくになりながら真剣なまなざしでボールを追いかけていて。


ほんと、かっこいいなぁ……。


思わず、心の中で本音をつぶやいてはため息がもれる。








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