女子力高めなはずなのに
「これ、明日の合同会議の資料なんだけどさ、今見てたら気がついたんだ。今月だけ未払金の額が異常に多いんだよ。これって未払金と買掛金、間違えてるんじゃないのか?」

「えー?未払も買掛も参照作成すればいいだけなんだから、今月だけ間違えるなんてありえないよ」

とはいえ見てみるか。

半信半疑で資料を受け取る。

どれどれ。

……。

「ホントだっ、未払金がすごい多い!」

「たいした金額じゃなければ後からこっそり直してもいいけど、ここまで金額が大きいとちょっと見過ごせないよな……」

エエッ!?でもなんでこんなことに……?

「ちょっとシステムで確認してみる」

「ああ」

経理システムから伝票を開けて見てみると、確かに買掛金と仕訳けるべき内容を未払金にしている。

「ホントだ、これ、間違ってる!それもかなり大量に……」

「吉田課長と連絡とれる?」

「え?あ、はい」

私が電話をかけると吉田課長はすぐに出たけれど、わいわいガヤガヤとすごい騒音。

間違いなく飲み屋にいるな。

「吉田課長?中野ですけど」

『おーう、どうした?』

やだな、もう酔ってるよ。
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