女子力高めなはずなのに
髪の毛をタオルで挟むようにパンパン叩きながら部屋に戻ると、ほんの少し違和感を感じた。

んっ?

……あれっ?

テーブルの上にメモ用紙……!

目を見開いて、バッとメモ用紙を手に取った。

『鍵はポストから落とす』

な!

な、なっ、なんじゃこりゃ!

誰の字?
誰か来た?
誰かが私を連れて帰ったってこと?

ハッと振り返るとキーケースが玄関に転がってる。

うちのポストは玄関の扉に穴が空いているだけだから、穴から落としたら床に落ちるだけになっている。

震える手でキーケースを拾い、痺れる頭でもう一度じっくり思い出してみた。
< 17 / 325 >

この作品をシェア

pagetop