女子力高めなはずなのに
「あ、起きた?」

扉の外から声が聞こえてきた。

男の声!

しかも聞いたことのある声……。

考えたくない。

でも、間違いない。

この声は……。


……色白やせ眼鏡。


いくらなんでも、そりゃないよー……。

一生の不覚。

「そこに置いてあるシャツ着ていいから」

扉の外の声に従って下を見ると、枕の横に綺麗にたたんだ白いワイシャツが置いてある。

……気が利くじゃん。


それにしても、本当にしちゃったのかな?

どうもそんな感じはしないんだけど……。

だんだんハッキリ目が覚めてきて、もっと強く確信した。

たぶん、してないな。

間違いはなかった、と、思う……、たぶん。


ワイシャツを羽織ったら、いかにも彼氏の家に遊びに来た女の子が彼の大きなワイシャツを着ちゃった感が出て、これが色白やせ眼鏡じゃなければ最高のシチュエーションなのに、などと思ってしまった。

私、自分の服、どうした?

見当たらない。
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