不安すぎて



 音を聞き付けて来てくれたのは、店長である村田響矢(むらた きょうや)さんだ。


「すみません、一つ割ってしまって」


「いいから、いいから。それより、破片で切らなかった?」


「あの……少しだけですから、大丈夫です」


 私は、さらに破片を拾おうとしたけど、店長に止められやめた。


 なんだか、今日は散々な日のような気がして、何だか泣きたくなってくる。すると、箒と塵取りで破片を片付けてくれていた彼が顔を上げた。


 その目は、なんだか心配しているように見える。



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