イチゴミルク *
10本目 :




「「…あっ!!」」




数秒見つめ合ったのち、私と、目の前にいる控えめそうな女の子は同時に声をあげた。



たまたま今日はお弁当がなくて、購買に行った日だった。

そこでまさか、入学式のときに一緒に下駄箱まで行った新入生の子と再会するなんて。


名前聞くの忘れてたから、また会えて嬉しいな。




片手におにぎりを2個持ったその子は、私を見て目をキラッキラに輝かせた。




「あのっ、入学式の時はありがとうございました!!」

「ううん。こちらこそ!」

「あの日教室に行ったら、両親とも入学式に参加してない子結構いて…。その子たちと友達になれました!!」




手に持ってるおにぎりを潰してしまうんじゃないかと思うくらい。

ぎゅっと手を握りしめたように、前のめりになっていた。




可愛いなあ〜〜。

私、なんもしてないけど、めっちゃ懐いてくれてない?これ。



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