絶対零度の鍵
旅立ち








凍るような場所で、



凍るような声で、



燃えるような瞳で。




「何だと?」




右京は、王に責任を問われていた。




「鍵を失くした挙句、鍵師は旅に出た、と?」




羽を縮ませて、右京は小さく小さくなる。




「はぃぃ。。。ご、ごめんなさぁい…」




次に来る怒声に備えて、ぎゅっと目を瞑る。



が。




「うーむ…」




予想に反して、王は考え込む素振りを示す。
< 26 / 690 >

この作品をシェア

pagetop