海に写る月

「…友達出来るのかな…。」


不安が歩みを進める度に積み重なっていくにつれて、顔が下がっていった。


どうしよう…友達出来なかったら…。


そんなことを考えている間に、正面玄関前に着いていた様で既にクラス発表を終えた人がザワザワと騒いでいた。


人だかりの方を見ると、大きな紙が貼り出されていた。

一番上には『新入生 新クラス発表!!』とダイナミックに墨で書かれていた。


まずは、1組から。


「…ない。」


次は、2組。


「…あった。3番 遠藤 月海。」


確認して、玄関で自分の下駄箱に靴をしまって四階へ上がった。

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