L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
放課後

祥香が降りてくるのを待ち職員室に向かう。

いよいよ先生に英語を教えてもらう。

私は一体どの様に先生と接すればいいのか不安だ。

「藤咲、大丈夫か?」

「全く持って大丈夫じゃない。どうやって先生と接すればいいのさ。」

「普通に接すればいいだけだろ?」

そんな簡単に言われてもな…。頭では分かってはいるけど、態度がどう出るか分かんない。

それが1番怖いんだ。

「悩んでないでさっさと歩けって」

「人事の様に言わないでよ…。」

「人事だろ?」

「そりゃ間違いないけどさ…。」

「悩んでたって仕方ない、自分の心に素直になれ。…前言ったの覚えているか?」

「えっ。…うん。」

「素直になったら少しは分かるんじゃないのか?」

素直になるか…。そうなれたら苦労はしない。

今からでも遅くないかな…。

「さっ、行くぞ。先生待たしてんだから。」

「…祥香ちゃん。」

「なんだ?」

「少し…素直になってみようかな。」

「好きにしろ。自分のおもう様に。」

「ありがとう。」

ほんの少しの事なのに元気になれる。祥香って凄いや。

それから2人で小走りして職員室に行った。
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