厄介なkissを、きみと ー fairy tail ー
「翔平ー!」
オレが玄関のドアを開けると同時に、タケルの声が響いた。
「はやっ」
驚いたオレの顔を見て、
「その顔、ヤバいぞ」
と言ってケラケラ笑う。
ソッコー、とは言ってたけど、いくらなんでも早過ぎるだろ。
オレ、今帰ってきたところなのに。
「とりあえず、上がれば?オレも着替えて、」
「ここで待ってるから、早く着替えてこいよ。
コンビニ行こうぜ。アイス、アイス」
オレの話を最後まで聞かずに、タケルは自転車にまたがったまま、右手を忙しく動かして「行け」と促す。
「……ったく」
タケルはいつもそうだ。
自己中心的。
それに従うオレは、一般的に、なんて部類に入れられるんだろう。