厄介なkissを、きみと ー fairy tail ー

「翔平ー!」

オレが玄関のドアを開けると同時に、タケルの声が響いた。


「はやっ」

驚いたオレの顔を見て、

「その顔、ヤバいぞ」

と言ってケラケラ笑う。


ソッコー、とは言ってたけど、いくらなんでも早過ぎるだろ。

オレ、今帰ってきたところなのに。


「とりあえず、上がれば?オレも着替えて、」

「ここで待ってるから、早く着替えてこいよ。
コンビニ行こうぜ。アイス、アイス」

オレの話を最後まで聞かずに、タケルは自転車にまたがったまま、右手を忙しく動かして「行け」と促す。


「……ったく」

タケルはいつもそうだ。

自己中心的。

それに従うオレは、一般的に、なんて部類に入れられるんだろう。

< 7 / 21 >

この作品をシェア

pagetop