夏恵
僕は夏恵を愛した。

強く強く愛した。

そして夏恵も夏と同じ様に僕を愛した。

その愛は危うかったが確かに愛だった。



今更遅いのかもしれないが、僕の疑念は晴れた。

僕は夏恵を確かに愛していたんだ。



僕はポケットから携帯を取り出して電話を掛ける。

出る筈も無い夏恵の携帯は僕のポケットの中で静かに震えた。

やがて誰も聞く筈の無い留守番応答に切り替わる。

だが僕は構わずに言葉を放つ。



『・・・夏恵、君が誰であろうと関係無い。僕は夏恵と夏恵の愛したこの季節を愛していた。・・・ありがとう』



潮騒は優しく僕の声をかき消した。





 ~終~

< 201 / 201 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【詩作家 スカキン】

総文字数/14,495

詩・短歌・俳句・川柳74ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『詩作家共和国』 詩作家共和国スレの課題作品を主にアップしております。 少しでも心に響けば嬉しいです
愛染堂市

総文字数/131,917

ミステリー・サスペンス229ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
退廃的な街 【愛染堂市】 殺しを生業とする男 ペンキ屋 片手の娼婦 アサガオ 錆び付いた刑事 中島 それぞれの心が 愛染堂市に 導かれ 紡がれる ※この作品には 性的な表現や暴力的な表現が 含まれます またこの作品はフィクションであり 実在の団体・機関・出来事とは 一切関係ありません
小さな部屋、僕は電気椅子のイニシアティブ

総文字数/2,070

実用・エッセイ(その他)47ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
妄想は タダです 経済的でエコ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop