夏恵

オレンジ色の光は、その力を失いつつある。

東の空から深く青い闇がにじむ。

やがて、この部屋は僅な海に反射した月の光だけが差し込み僕達はお互いの影を、儚い感情に素直に従い何度も求め合う。


きっと夜の淡い光に照らされた夏恵は、あのワンピースで咲き乱れていたアネモネの様に美しいだろう。


僕は夜が訪れるのを待てずに夏恵のもっとも深い場所に誘われる。

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