綿本早香の壁ドン指南
他の部員はすでに帰ってて、僕と先輩の二人きり。

先輩の制服のシャツの白い袖が、柵のように僕の両脇を閉じ込めている。

このまま時が止まればいいのになんて、そんな願いが叶うはずもなく…

「明日までにしっかり練習しておきなさいよ!」

火野辺先輩が部室を出ていく。

ピシャリと閉じられた扉は、跳ね返ってまた開いてしまったけれど、先輩は振り返らず気づかずに去っていく。

僕はどうすればいいんだろう?

明日までって言われても、家に防音設備なんてないし、一人でいくらたたいてたって皆と合わせる練習にはならない。
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