いぬのきもち。
いぬのきもち。




「ただいま!」

「きゃいーん!」


玄関のドアを開けた私に向かって廊下を全速力で駆けてくる、愛しのタロ。

ぴょーんと飛びついてきたタロを、私はぎゅっと抱きとめた。


「ただいまタロ!寂しかった?」

「くぅん…」

「ごめんね!さ、らぶらぶしよ♡」

「きゃん!」



タロは3歳のダックスフント。


くりくりの大きな瞳、

つやつやの茶色い毛並、

ふりふりの尻尾、

ぽてぽて歩く短い手足。



読者様に写真を見せてあげられないのが、残念で仕方がない!




私は神谷千尋、26歳。


仕事で帰りが遅くて、タロには寂しい思いをさせてしまっている。

だから帰宅してからはとにかくタロとべたべたするのが日課。



タロは私から一時も離れようとしない。

テレビの時は膝の上、ご飯の時はぴったりくっついて隣に座り、お風呂の間は洗面所で伏せをしてじっと待っている。



あーもう、可愛いにも程がある!



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