小さな光
おじいさんはいつもひとり
公園のベンチに
ぽつんと座ってる

小さな目で
すべてのものを睨んでるの

お口は
いつもへの字で
眉毛と眉毛の間には
おしわがあるの

ぶっすーって音が
聞こえそうなくらいね
ぶっすーってしてるの

はじめはね
とってもとっても
怖かったよ

なんで睨んでるんだろって
怖かった


でもね
ホントはとっても優しかったの




あのね
泣いてたの
あたしね
泣いてたの

大好きだった
猫のメリーが死んじゃったから


そしたらね
おじいさんがね
くれたの

小さな金平糖の入った袋を
ひとつ


びっくりして
おじいさんを見たら

ぶっすーってした顔のまんまで
ずいって
手に乗せてくれたの


びっくりしたまま
お口に入れたら
ほんのりあまくて
やさしく溶けて

なんでかとっても
あったかい気持ちになったの


ぽろって涙を零したら
おじいさんが黙って
頭を撫でてくれたの

ちょっと
ためらうようにね
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