OUT
「……は…はぁ…は…は…」
行った……
二人共…脱出…し…た…
よかった…
本当…よかった…
千草は敬礼したまま、遠ざかる船を見送った。
永遠の声だけが、少しだけ耳に入る。
返事をしようと、千草は口を開いた。
―ドバ…!!!!
「…ごほ!!!がはぁ!!!」
だが、その口からは言葉ではなく、沢山の血がでた。
そのままガクッッと膝から崩れ落ちた。
「……は…はぁ…はぁ……永遠…真理和…」
二人の名前を聞いた瞬間、涙がとめどなく頬を伝った。
その涙は口元の血と混ざり合い、コンクリートの上に落ちていった。
「……絶対死ぬな…生き抜け…かは…」
千草は小さくなる船をまた見た。
「……生き抜け…お前達は…も…う…」
千草がなにか言おうとした瞬間…
―――ダァン!!!!!
辺り一面に、銃声が響いた。
「……か…は…」
――ドサ………
口から霧のような血を吐き、倒れた。
体が少し痙攣してるのがわかる。
「…千草ぁ…非常に残念だよぉ…お前みたいな優秀な軍人を処分するのはぁ…」
倒れている千草の隣に来たのは…
ショットガンを持ち、気持ち悪く笑う海谷だった。